
新社屋の施工にあたり、設計図書を初めてみていくなかで、「面白い造り」だという印象を一番強く感じました。
既存古民家の丸梁を構造の化粧柱に使用する事。
レシプロカル構造(相持ち構造)を用いた、大空間の事務スペース。
木造だからこそ可能な、構造材を魅せる内装の仕上げ。
木造では珍しいほど、張り出した庇。
外観は、木造を感じさせないスタイルで、趣のある左官素地仕上げ。
どれを取っても、仕上がりが楽しみで有りませんでした。しかし、施工計画を進めて行けばいくほど、その難しさに直面していきました。
築70年を超える既存古民家の丸梁利用では、解体する古民家から綺麗に取り外し、設計の若山氏・構造設計の田中氏・構造材加工の大三商行と共に、現物を構造柱として利用できるかの検討を行い、70年間の汚れを洗い、加工・組立を行い、設置することが実現しました。ここでも化粧としての木材の質感を生かし、レシプロカル構造(相持ち構造)を取り入れるため、「ホームコネクター」という金物を見せない特殊な継ぎ手を行っています。
レシプロカル構造とは、「部材同士が互いに支え合って力が釣り合う」「荷重が大きくなるほど締まって頑丈になる」という、特性が有ります。今回のプロジェクトに関して相持ち構造のように、発注者・設計者・施工者を含めた工事に携わったすべての方々の協力があり、難しい構造や仕上げに対して、問題の解決に一致団結し、お互いの意見を尊重し合えた結果の完成であると確信しています。
私が施工管理の職に就いてから25年間になりますが、その中でも今回の新社屋新築工事では、初めての構造・工法・仕上げが多く取り入れらており、施工に携わる事が出来、貴重な経験を積ませて頂いたと共に、誇りに感じます。
鎌形建設株式会社
住宅部 岩澤澄直